千鹿頭池物語　　　風と光と鳥たちと　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　

思いつくまま、気の向くまま、今日もふらふらと駄文が続きます。
なお、駄文は２か月くらいで消すことにしています。あまり、だらだらと続くのも芸がないと思いますので。
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９月分　　
１０月５日　久しぶりに池へ

雑種ガモ「バニラ」　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

　雑種ガモとカイツブリに会いに行きました。９月２４日以来、久しぶりです。カイツブリの親子、雑種ガモは皆元気でした。挨拶代わりに飛んでくれた白い雑種ガモ２羽は、くちばしの黒斑以外はそっくりになりました。この斑の形が変わらなければずっと識別可能です。

　３歳の「しろちゃん」は♂の雑種ガモと仲良くしています。「五人組」と名付けてある、この池では古株の雑種ガモ５羽のうち、どれかが配偶者になるでしょう。第１候補は「ガード君」なのですが、さてどうなるか。交尾をするだろう年明け頃が楽しみですが、そのとき雑種ガモ達がこの池にいるか、それが問題です。なにせ、雑種ガモは全部飛べますから。

　１歳に満たない、今年生まれの「バニラ」は、まだまだ色気より食い気、あいかわらず食欲に生きています。「先輩」家族の幼鳥８羽（「バニラ」もその１羽）は、採食中ばらばらでも、ときどきなんとなく集合するので、８羽とも無事と確認が出来ました。

雑種ガモ「しろちゃん」　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

トンボを捕らえたカイツブリの幼鳥　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

　カイツブリの幼鳥も、ほぼ成鳥なみになり、今日は赤トンボを捕らえました。さすがに秋です、捕らえたトンボがオニヤンマやシオカラトンボではなく、池にたくさんいるアキアカネですから。

　捕らえてはみたものの、なかなか飲み込めず、水に沈めたり、くわえ直したり、くわえたまま潜水したり、いろいろやり、ついにはトンボの頭が取れてしまいました。それでも飲み込めず悪戦苦闘。まだまだ幼鳥です。親鳥がオニヤンマを飲み込んだときのようにはいきませんでした。
　
　下はくわえたまま水面を走る幼鳥。上と同じ個体です。トンボを捕らえられたので、有頂天になっていると想像してしまう行動です。別に誰もトンボを横取りしようとはしていませんでしたから、走り回る必要は何もないはずです。

トンボをくわえて走るカイツブリの幼鳥　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

　カイツブリの幼鳥は、水面に立った姿勢で走り回ったり、跳んでみたり、盛んに筋トレをしているように見えます。羽ばたきの練習というより、飛ぶ訓練、あるいは飛び続ける訓練中なのでしょう。

　この池はほぼ結氷してしまいますから、嫌でも他所へ移動しなければなりません。暖かい地方へ移動するために、飛ぶ筋肉を鍛えねばならないと、本能が命じているのでしょうか。
　カイツブリがいつ頃までこの池にいるのか、これも宿題にします。

　この池で残っている、年内に解かねばならない宿題はふたつ。ひとつはカイツブリ。もうひとつは、未だに撮れない「色男バフ」の羽ばたいた瞬間の撮影。この池とは縁が切れそうにない。

走り回るカイツブリの幼鳥　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

飛ぶカイツブリの幼鳥　　　　２０１２年１０月５日　　長野県　松本市

１０月７日　秋なのに

ツマグロヒョウモン　♀　　　　２０１２年１０月７日　　長野県　松本市

　雑用に振り回わされるのは嫌なんだけれど、車の点検とか、来客とか、ときどき時間盗人が現れて、それが世の常か。それでも、チラリでもと鳥見に出かけるけれど、１、２時間ではろくな出会いもなく、仕方がないと諦め。

　６日、御宝田池にキンクロハジロがひと番いました。この秋１番乗りです。キンクロを見ながら、この番は昨冬もここで過ごした個体なんだろうと思いを巡らす。

　想像の域を出ませんが、カモ達の多くはほとんど同じ場所へ越冬に来ると思います。２羽は、偶然この池に来たのではなく、この池を目指して来たのでしょう。数年池を見続け、特徴のあるカモをチェックしていると、同じ個体が数年越冬に来ます。傍証のデータはそれしかありませんが。

　今や、松本平でも時々見かけるようになったツマグロヒョウモンです。神奈川県の相模川で、初めてこのチョウを見たときは、とても驚きました。それから間もなく、たぶん２年後だったか、松本でもみつけ、さらに驚いた記憶があります。

　温暖化や、パンジーなど食草のスミレ科の植物が広く各地で栽培されるようになったからなど、分布が広がった原因を聞きました。
　ツマグロは我が家の庭にも来て、アメリカスミレサイシンの根元に卵を産み付けています。それを見ながら、なるほどと納得。

　ツマグロヒョウモンを見かけると、秋になったと実感します。

　

雑種ガモ「五人組」と「しろちゃん」　　　　２０１２年１０月７日　　長野県　松本市

左奥から二郎　四郎　しろちゃん　一郎　三郎（ガード君）　五郎　と名付けてある。　

　秋なのに、カモの世界は恋の季節です。雑種ガモ「五人組」の５羽はすべて♂、そして「しろちゃん」は♀。９月中頃まで、「しろちゃん」は「五人組」とすれ違うことはあっても、自分から近寄りはしませんでした。

　９月末から「五人組」が「しろちゃん」の周りを囲むようになり、「しろちゃん」が嫌がって追い払っても、しつこく取り囲む行動が目に付くようになりました。つまりは恋の季節になったのです。そして最近は、「しろちゃん」の方から「五人組」に近づく場合もあります」

　上の画像で、一番手前の正面を向いている個体が、「しろちゃん」のお気に入りの「三郎（ガード君）」です。しかし、残りの４羽が簡単に諦めるはずもなく、ディスプレイ（求愛行動）を繰り返します。いわゆる反り返りという行動、下の画像です。

　「五人組」を見ていると、上の画像の一番右のカルガモにそっくりの個体（五郎）が一番気弱で、「五人組」の末席に甘んじています。「しろちゃん」の右のくちばしが根元まで黄色い個体（一郎）が一番大きく、行動もそれなりちょっと乱暴で、ディスプレイを一番たくさんします。「三郎（ガード君）」はどちらかと言えば控えめな方で、うろうろしていることが多く見えます。でも、「しろちゃん」のお気に入りは、いまのところ「三郎（ガード君）」です。

　さて、来初夏、再び「しろちゃん」のヒナが誕生するでしょうか。その父親が誰なのか、見届けられたらいいのですが。

　　

ディスプレーをする雑種ガモの♂　一郎　　　　２０１２年１０月７日　　長野県　松本市

　「類は友を呼ぶ」の例え通りなのか、最近白い２羽が並ぶ姿をときどき見かけます。「しろちゃん」３歳、「バニラ」まだねんねの０歳。
　「しろちゃん」は♀ですが、「バニラ」の性別はまだ不明です。しかし、なんとなく願望も込めて「バニラ」も♀のように思えます。

　さらに願望がふくらみ「バニラ」もヒナを孵したら。また黄色い子が生まれて・・・池にはだんだん白いカモが増えて・・・事情を知らない方が白アヒルがたくさんいると錯覚し・・不心得者が白アヒルを、仲間がいるからと池に放棄して・・・どの白が誰なのか分からなくなり・・・誇大妄想がどんどん広がります。しかし、この妄想、起きてしまいそうな感じがしています。
　
　さて「しろちゃん」の次の相手は誰なのか、単数なのか複数になるのか、秋なのに「恋の季節」。

「しろちゃん」（奥）と「バニラ」　　　　２０１２年１０月７日　　長野県　松本市
１０月１５日　寒さ来る

オシドリ　　　２０１２年１０月１３日　　長野県　松本市

　画像は１３日に撮影しオシドリです。換羽中の個体が多い中で、綺麗に換羽が終わった雄です。枯れ始めたヒシの原に花一輪の感です。

　１３日、雑種ガモの状況を見に千鹿頭池へ。このところ、「しろちゃん」のラブラブ以外はさして変化がないので、１週間に１回のチェックにしています。しかし、行くと何事か起きていますので、それを見つけるのも鳥見の楽しみです。

　カイツブリは４羽孵化し、飛べるまでに成長しましたが、３羽しか見つけられません。１羽欠けてしまったのか、それとも親鳥も見あたりませんので、早くも親鳥と一緒に旅立ってしまったのか、いろいろ想像出来ますが、幼鳥３羽だけになった事実以外は不明です。

　１３日午後は突然寒くなり、強めの北風が肌寒いより進んで冷たく感じました。撮影中に身震いが出るほど。それでもオシドリが飛ぶまではと頑張る。

　それがいけなかったらしい、ご無沙汰だった腰痛が戻って来ました。夏の間はどうと言うことは無かったので、忘れていましたが、突然、がぁ〜んと。いわゆるぎっくり腰ではないので、これから次の初夏までずっと痛みが続きそうで、憂鬱になります。
　とにかく、いすに座れない、無理して座ると、今度は立ち上がれない。参った参ったで、パソコンに灯も入れられず、昨日は１日ごろごろしてました。

　１回目の寒さが来ました。寒さの到来を、まず腰痛で感じ取るなんて、情けない話です。

１０月３０日　読み違い

雑種ガモ「コーヒー」　　　２０１２年１０月３０日　　長野県　松本市

　久しぶりに雑種ガモのいる千鹿頭池へチェックに。雑種ガモ達に変わりはないかと。池の周りもそろそろ秋色になっているだろうから、秋色の水面とカモたちなどねらい目か、などと考えていました。

　ところが、とんだ読み違い。池へ着くと、なんと池にボートを浮かべて、警察が救助活動中。誰かが池にはまったのかと思いました。そんな状況の横で鳥見も出来ませんから、しばらく皆の動きを見ていました。どうやら訓練だと分かりましたので、鳥見を開始。

　訓練は池の北側半分で行われていたので、カモたちは南側の隅に集まっていました。カルガモがざっと４０羽、コガモが４０羽、マガモが１０羽、コサギ２羽、カイツブリにオオバン。いつもの顔ぶれを確認。それから雑種ガモが全部揃っているのも確認。狭い範囲内に集まっているので、確認は楽でしたが、秋色写真を撮るような状況ではないので、左右の初列風切の色が違う「色男バフ」の羽ばたく後ろ姿を撮るという宿題をこなすことに。

　ところがそこでハプニング。救助訓練の一環でしょう、浮き輪を遠くまで投げる（飛ばす）ために火薬を使用したようです。いきなり背後でバ〜ンと、いわば大きな銃声が一発。カモは一斉に飛び立ち池の上空を旋回、どんどん高度を上げました。池のやや上空を２、３周しただけ降りて来たのはコガモだけ、他は旋回を続けました。カイツブリとオオバンは飛びませんでした。

　必死で飛び回るカモのスピードは、のんびり移動するときとは違ってとても速い。それに急旋回もするし、ピント合わせがついて行きません。まして、その中から雑種ガモを探し出すなど至難の業。
　
　このハプニングで、ひとつ勉強が出来ました。
　飛び上がり旋回したカモたちのほとんどは山ひとつ向こう側の「生妻池」方面へ飛び去りましたが、ぱらぱら帰ってくるカモもいました。始めは気づきませんでしたが、降りて来たカモは今年生まれの雑種ガモ達でした。「しろちゃん」の子どもの３羽（しろしろ、しろ並、しろバフ）が降り、それから「先輩」家族の「コーヒー」（上の画像）が、つぎに「ココア」。しばらくして白い「バニラ」・・・。

　戻ったカモは「しろちゃん」の子３羽、「先輩」家族の８羽、カルガモが数羽でした。マガモ、カルガモのほとんど、４年以上この池にいる雑種ガモ「五人組」や「しろちゃん」は戻りませんでした。

　つまり、古株の雑種カモたちとカルガモは千鹿頭池の水が抜かれたときや、凍りついたときは、生妻池や県の森公園の池へ移動していたので、避難場所を知っていたと思います。ところが、今年生まれの雑種ガモ達は避難先を知らないので、様子をうかがいながら千鹿頭池へ戻ったのでしょう。勉強と言っても、これだけのことですが、面白い行動をひとつ見せてもらいました。
　
　鳥見場所を読み違えて、撮影も鳥見も十分出来ませんでしたが、ひとつ勉強ができて、よかった・・・とします。

　

バンの幼鳥　　　２０１２年１０月３０日　　長野県　松本市

　一面ヒシの海だった水面も、ヒシが枯れて水没したので、だいぶ隙間が見えています。救助訓練が終わり、カモがまばらな水面上をバンの幼鳥が飛びました。バンの飛び姿を見て、大きな足は、走るのには都合がいいだろうが、飛ぶにはさぞかし邪魔だろうと思います。

　「色男バフ」君、今日も羽ばたく姿を真後ろから撮らせてくれませんでした。一応右の初列風切羽３枚（ｐ８〜ｐ１０）と左の１枚（ｐ１０）だけが白いことは分かりますが。やはり真後ろからの１枚が撮りたい。宿題終了までまだまだ時間がかかりそうです。相変わらず、胸にヒシの実をたくさんつけていました。

　今秋初認のベニマシコが土手のススキの中から出たところを確認。この池でベニマ見たのは初めてでした。ノートに特記事項が一行書けて、読み違えたけれど、ちょっと幸せ。あとはさしたることもなく夕方に。

雑種ガモ「色男バフ」　　　２０１２年１０月３０日　　長野県　松本市

ちょっとだけ秋色の水面　　　雑種ガモ「バニラ」　　　２０１２年１０月３０日　　長野県　松本市
９月分